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<幻の大豆>「借金なし」秩父で復活(毎日新聞)

 ◇銘柄名→実り多く返済しやすい!?

 かつては北関東で広く栽培されていたものの、ほとんど見られなくなった大豆「借金なし」を昨年から、秩父市下吉田地区の「秩父在来大豆借金なし生産組合」が育て始めた。昨秋に初めて収穫し、今月、大豆を原料としたケーキの販売が秩父市内で始まった。

 県秩父農林振興センターによると、「借金なし」の名前の由来は「実りがよく借金が返せるから」だという。大正時代には既にこう呼ばれていたらしい。埼玉でも戦前から秩父地方を中心に盛んに生産されていたが、実にやや黒ずんでいる部分があって見栄えがよくないことや、機械で収穫しにくい実の付き方をすることから、作付けが激減したという。

 05年、県産の農産物による商品開発に力を入れる県が、大豆の質を改めて調べたところ、ショ糖が多く含まれて甘みが強いことが分かり、再評価されるようになった。

 中嶋新組合長は兼業農家だったが、勤め先を07年に定年退職。農業経験はあまりなかったものの、周囲に増えている遊休農地を有効利用したいと考えた。そんな時に、県秩父農林振興センターから「借金なし」を紹介された。近隣の農家4軒を誘い、昨年5月に生産組合を設立した。

 健康志向の高まりを意識し、センターの指導を受けながら無農薬栽培に挑戦。悪天候や虫の被害を受けながらも、約1・3ヘクタールの畑で約1・5トンを収穫した。秩父と小鹿野の菓子業者2社に販売したところ、おからや豆乳を使ったカップケーキ(150円)、スナック菓子(300円)が開発された。中嶋組合長は「借金なしは味が良い。収量を増やし、将来は豆腐も作りたい」と話している。【岸本悠】

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